料金や納期について、すこしまじめな話を書きました。
みなさんこんにちは。
つい先日ですが、データ化料金の値上げのお知らせをさせて頂きました。そのことについて、どうしてもみなさんに知っておいてもらいたいことがあり、ちょっとまじめな話を書きたいと思います。
長くなりますが、時間がある時に最後まで読んでいただけると嬉しいです。
みなさんもご存知の通り、フィルムの値段は年々少しずつ上がっています。それだけでなく、私たちが業務で使う現像薬品や写真の印画紙、廃液処理にかかる値段も上がっています。
何かをするにあたって「コスト=かかるお金」というのは、重要な判断材料になると思います。そのため、「フィルムを使って写真を楽しんでほしい!」という思いから、オープン以降できるだけ現像代などの作業料金を値上げをせずに仕事をしてきました。
しかし今回、その業務で使うさまざまなものの値上がりを理由に、悩みに悩んでデータ化の料金を改定するという決断に至りました。皆さんには申し訳ない気持ちでいっぱいですが、まずはそこをご理解いただけますと幸いです。
また、今年の夏で5年目を迎えますが、私たちが『Photolabo hibi』をスタートさせた時よりも来てくださるお客様が増え、さらに私たちよりずっと若いたくさんの人たちがフィルムで写真を楽しんでくれるようになりました。
そして、全国から郵送でフィルムがhibiに届くようになり、1日中フル稼働でフィルムを写真に仕上げ続けています。本当にありがたいことです。
しかしながら、営業時間内に作業できるフィルムの本数には限りがあるので、作業は深夜にまで及ぶことがあります。スタッフ2人だけの小さなお店なので、だんだんと日付をまたぐ日が増え、それでも作業が追いつかなくなってきました。今現在、お急ぎを受け付けることができなかったり納期を一週間以上いただいているのは、これが理由です。
これを解決する方法はあります。「作業を短縮する」ために、フィルム1本にかける作業時間を減らすことです。しかし、その時間を減らすというのは、当然そこからこぼれ落ちていくものがあると思います。これだけは、私たちはやりたくない。
私たちはみなさんからお預かりしたフィルムを「写真」にすることで、「お金」を頂いています。
一般的にお金は時間の対価として認識されていて、私たちは「お金を頂くこと」=「みなさんの時間を預かること」だと思っています。皆さんがカメラを手に過ごした楽しい時間や大切な時間、つまり人生の一部を預かっているんだと心に留めて私たちはフィルムをお預かりしています。
なので、私たちにとって、それを写真に仕上げるためにかける時間は無駄ではないし、預かったものは絶対に大切にしたいと考えています。
また、私たちに会ったことがある人や、お店に来てくれた事のある人はわかると思いますが、店頭でただフィルムを預かるだけでなく、時間をかけて「写真の仕上がりイメージ」をお聞きします。
なぜ時間をかけるかというと、「みなさんが撮ったものをより良い写真に仕上げたい」という思いや、みなさんと時間をかけて付き合っていくことで、「この人が実現したいものは何か?」というのを私たち自身が理解したいという思いがあるからです。この時間も、できるかぎり削ることなく大切にしたいと思っています。
hibiに比べれば、時間も早いし、かかるお金も安いお店はたくさんあると思います。仕上がりまで時間がかかり、作業料金も今までより高くなる。今回の決断するにあたって、長い期間悩んできました。自分で自分の仕事に価値をつける立場の人間にとっては、今回の決断は正直言ってまだ不安が残っています。
このタイミングで、みなさんにはきちんと私たちの思いと現状を知ってほしいと思い、この文章を書きました。
私たちは、これからもみなさんからお預かりした「大切な時間」をよりよいものにしていこうと思いますので、今回の決断を少し応援していただけると嬉しく思います。
Photolabo hibi 松井恵津子・松井貴之