スタッフたろう連載『写真屋さんから返ってきたフィルム、どうしてる?Vol.2』

こんにちは。Photolabo hibiのスタッフたろうです◎

皆さんは写真屋さんから返ってきたネガフィルム、どうしてますか?
実は先⽇、データ化やプリントをした後のネガフィルムを捨ててしまう⼈や、お店がいるという話を聞きました。
「なんで捨ててしまうんだろう」と疑問に思ったので、⾝近な友⼈や知り合いに「現像したネガフィルムを捨ててしまったことはある︖」と聞くと、「捨ててはいないけど、どう保存したらいいかわからない」「⼀応持ってるけど、何に使うの︖」という声がちらほら。

 

私はhibiで働くようになって、ネガフィルムを残しておくことの⼤切さを改めて実感しました。ネガフィルムは写真を楽しむために必要不可⽋な存在だからです。
例えば、スマホに⼊れていたデータが消えてしまったとき。また、写真集を作ったり、展⽰の作品を作るとき。雰囲気を変えて焼き増しを頼みたいとき。

私⾃⾝のネガフィルムにまつわるエピソードとしては、偶然⾒つけた昔のフィルムの中に⾃分の⼦供の頃の写真があり、とても嬉しい気持ちになったことがあります。残されたネガフィルムは、そんなふうに時間を超えて誰かを笑顔にしてくれるかも知れません。

 

ただ、そういった使い道を知るきっかけがあまりないのかも知れない。だからネガフィルムを処分してしまう⼈たちがいるのかも知れない。そう思いました。
フィルム写真を好きな皆さんは、これからもどんどんフィルム写真を好きになっていくと思います。そんな皆さんが、いつか「フィルムで撮っていてよかった」と思えるような未来になって欲しいです。

 

そのために、写真の仕事をしている私たちがこれからフィルムを残すことの⼿段や⽅法を伝えていくことにしました。その第1歩として「写真屋さんから返ってきたフィルム、どうしたらいいの︖」という企画を考えました。

知っているようで知らない、なかなか⼈に聞くことがなかったことをインタビュー形式でまとめています。インタビューの相⼿は、フィルムを愛してやまないhibiのお客さんたちです︕

 


 

 

第二回目の今回は、Misako Maehataさん@msk33_film(フィルム歴︓6年)にお話を伺いました!

 

ーー:Misakoさんが、フィルム写真を始めたきっかけを教えてください。

Maehata:家におじいちゃんのフィルムカメラがたくさんあり、使ってみたいなぁと思ったことがきっかけです。その中でも特に⼆眼レフに興味があり、最初に使い始めました。⼆眼レフの他にもたくさんのカメラがあり、今持っている10台のカメラのうち7台はおじいちゃんのものです。

 

ーー:普段はどのくらいの頻度で写真を撮っていますか︖

Maehata:たくさん撮るときは1ヶ⽉に7〜8本撮っています。あまり撮らない⽉もあるので、年間で30本ほどです。季節のものを撮ることが好きで、特に桜の時期はとっておきのフィルムを使うことが多いです。LomoChromeのMETROPOLISやPurpleは今年の春⼤活躍しました。

フィルムカメラを始めて2年ほど経った頃から、おじいちゃんのカメラで撮り⽐べたものを⾒やすくしたいと思い、ネガフィルムをネガ保管ファイルに分け始めました。

 

 

ーー:早速今回の話題が出てきました︕ネガ保管ファイルを使って整理しているんですね︕

Maehata:カメラごとにネガ保管ファイルを分けて整理しています。写真屋さんからネガフィルムが返ってきたら、どのカメラで、いつ、何を撮ったものか確認します。フィルムを現像に出すときに、使⽤カメラや⽇付などをメモしたマスキングテープをパトローネに貼ってネガと⼀緒に返却してもらうのですが、そのメモを頼りに確認しています。

振り分けができたらネガフィルムごとに撮影⽇などを書いた⽬次を作り、印刷して⼀緒に保管しています。そのおかげで、展⽰に出すためのフィルムを探すのがとても楽です。

 

 

ーー:あのマスキングテープは、ネガフィルムを整理するための準備なんですね。これならいつ何を撮ったかも覚えやすいし、細かく整理されていてすごく⾒やすいです。今、お話にチラッとできましたが、撮影した写真は展⽰に出すことが多いんですか︖

Maehata:そうですね。公募展で、テーマにあった写真を探して出展することが多いです。せっかく写真を撮っているのに⾒てもらう機会が少なく、「もったいないな」と思ったことがきっかけで公募展に出展するようになりました。フィルムで撮った写真をSNSに載せることもありますが、データで⾒るのと⽣の写真で⾒るのでは少し違うなと思っていて、私は展⽰で⾒る写真の⽅がいいなあと思います。

展⽰をきっかけに、知り合いが増えたことも嬉しかったです。私は知り合った⽅達と⼀緒に撮影に⾏くことは少ないのですが、おすすめのフィルムや撮影場所などの情報を共有できるのが楽しいです。

 

ーー:フィルムカメラをきっかけに、いろんな出会いが増えたんですね。

Maehata:そうなんですよ。他にもおもしろい出会いがあって、⼆眼レフを使っていると知らない⼈に声をかけてもらうことが多かったんです。特に記念写真を頼まれることが多くて、「ついでに私のカメラでも撮っていいですか︖」と⾔って撮らせてもらったりました(笑) SNSアカウントの書いてある名刺を渡して写真を⾒てもらったり。そのおかげでだいぶ度胸がつきました。

 

 

ーー:今までフィルムカメラをやっていて嬉しかったことはどんなことですか︖

Maehata:私が楽しく撮影している姿やフィルムカメラで撮った写真をみて、「フィルムカメラを始めたい」と⾔ってくれる⼈が結構いました。カメラを始めたいと相談してくれた⼈にはどんな写真が撮りたいかを聞き、私が持っているカメラを貸して⼀緒に撮影に⾏ったりしました。中には気に⼊ってフィルムカメラを始めてくれた⼈もたくさんいて嬉しかったです。

 

ーー:先程のお話にもありましたがSNSではなく展⽰で写真を⾒てもらうことの魅⼒は何だと思いますか︖

Maehata:私⾃⾝はいいねの数よりも感想をもらえることの⽅が嬉しいと思っています。SNSだと【いいねの数=いい写真】みたいな感じになってしまうと思うんですが、展⽰だと感想をちゃんと⾔葉でもらえるんです。この写真でこう伝えたかった︕っていう思いが感想ノートに書いてあって「そう︕それ︕」と嬉しくなったり。写真の意図が伝わり、その感想を⾔葉で伝えてもらえるので展⽰が好きだなあと思います。

他にも、SNSで評価をされないと「私はいい写真だと思うんだけどなにがだめなんだろう︖」と落ち込むことがあったけど、尊敬するひとに「あなたにはあなたの良さがあるからいいんやん。だから私この写真が好きだよ」と⾔ってもらえたことがすごく嬉しかったです。

私は、展⽰だけではなく友達に会ったときに⾃分の写真を⾒てもらったり⾒せてもらうことが⼤事だと思っています。写真を⾒てもらえる場所や機会をつくることがモチベーションにも繋がるし、新たな発⾒があったりするからです。

 

 

ネガフィルムやフィルムカメラをとても⼤切にされていることがひしひしと伝わってきました。SNSだけではない写真の楽しみ⽅を教えていただきました◎ありがとうございました!