秋田京花写真展『うみをのぞむ』

2022年最後の展示のおしらせです。
12月は2つの写真展を開催。第二弾は秋田京花さんによる特別展示『うみをのぞむ』を一週間限定で開催します。

京花さんには去年の12月、写真展『torch』をhibiギャラリーで開催していただきました。
2021年の一年間に書き続けた日記と、撮り続けた写真たちが並ぶ壁。
そこにそっと手で触れることでうっすらとその中身を読み解くことができるという手法が印象に残っている方もいるのではないでしょうか。

実は京花さん、この秋に本を発売されるのです。自身が綴ったエッセイと写真で構成された私家版の本。
タイトルは『うみをのぞむ』🌊

日常生活の中で見た夢や風景から記憶を辿って、あらゆる場所や時間が繋がり、波のように静かに広がってゆくひとつの物語のような内容となっています。
今回開催する写真展は、『うみをのぞむ』刊行記念イベントのような形での開催です。
開催期間中は一部日程で京花さんが在廊されるほか、本の販売も行います。

去年の『torch』で公開された日記とはまた違った日常が垣間見える『うみをのぞむ』のエッセイ。
読みながらどうしても「生」と「死」の存在について考えざるを得なくなります。そして自然と、自分が過ごしてきたあらゆる時間を振り返りたくなる。

個人的に2022年は、2021年とはまた異なった意味で暗い気持ちを持て余す一年間だったように思います。
ほとんど元通りとなった生活の傍らで、取り戻すことのできないものが確かにあるという実感。
そして、これから進もうとしている次の一年も、決して穏やかで安定したものではないのかもしれないという不安が常にありました。

そんななんとも言葉にできない気持ちを抱えていたタイミングで現れた『うみをのぞむ』は、静かな声でゆるやかに「海を眺めに行きませんか?」と語りかけてくれているようでした。
「本の発売に合わせて展示をしましょう」と声をかけさせて頂き、一年間の締め括りを再びこうして京花さんの作品と共に過ごせることがとても嬉しいです。

この展示に足を運んでくれる人はきっと、京花さんの言葉と写真を行き来しながらいろいろな思いをめぐらせることになると思います。
本の発売自体は今月末の予定で、遠方で展示を見に来れないという方も京花さんのwebショップで購入することができます。
ぜひいろんな方の手に「うみをのぞむ」が届いてほしい。

年末の忙しい時期、限られた時間ということもあり会期中の火曜・水曜も休まず営業することにしました。7日間、ちょっとの時間でもいいので展示を覗きに来て頂きたいです。
以下、京花さんからのメッセージになります✍️
皆さまのご来店を心よりお待ちしております◎

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うみをのぞむという『本』を作りました。『エッセイを交えた短いノンフィクション作品が』約20本と、44点の写真から成る本です。
エッセイのうちの一本に、2019年に福井県へ旅行した日のことをしたためました。全く行くあてのない旅でした。旅の途中、たまたま行き着いた浜辺で、私たちは誰から言い出したでもなく焚き火を始めます。今回展示するのは、その時に撮った海辺の写真たちです。いつか誰かに見てもらおうと思いつつも、3年その機会がなく放置されていた写真たちを今回発表します。皆さまの目にどのように映るのか、楽しみです。

ご高覧いただけると(そしてうみをのぞむを手に取っていただけると)嬉しいです。是非お越しください◯

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秋田京花写真展『うみをのぞむ』
2022.12.19(mon)-12.25(sun)
12:00-19:00 ※期間中は全日休まず営業します◎

在廊日などお知らせはこちら ▶︎ @akt.kyk

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