スタッフたろう連載『写真屋さんから返ってきたフィルム、どうしてる?Vol.1』

こんにちは。Photolabo hibiのスタッフたろうです◎

突然ですが、皆さんは写真屋さんから返ってきたネガフィルム、どうしてますか?
実は先⽇、データ化やプリントをした後のネガフィルムを捨ててしまう⼈や、お店がいるという話を聞きました。
「なんで捨ててしまうんだろう」と疑問に思ったので、⾝近な友⼈や知り合いに「現像したネガフィルムを捨ててしまったことはある︖」と聞くと、「捨ててはいないけど、どう保存したらいいかわからない」「⼀応持ってるけど、何に使うの︖」という声がちらほら。

 

私はhibiで働くようになって、ネガフィルムを残しておくことの⼤切さを改めて実感しました。ネガフィルムは写真を楽しむために必要不可⽋な存在だからです。
例えば、スマホに⼊れていたデータが消えてしまったとき。また、写真集を作ったり、展⽰の作品を作るとき。雰囲気を変えて焼き増しを頼みたいとき。

私⾃⾝のネガフィルムにまつわるエピソードとしては、偶然⾒つけた昔のフィルムの中に⾃分の⼦供の頃の写真があり、とても嬉しい気持ちになったことがあります。残されたネガフィルムは、そんなふうに時間を超えて誰かを笑顔にしてくれるかも知れません。

 

ただ、そういった使い道を知るきっかけがあまりないのかも知れない。だからネガフィルムを処分してしまう⼈たちがいるのかも知れない。そう思いました。
フィルム写真を好きな皆さんは、これからもどんどんフィルム写真を好きになっていくと思います。そんな皆さんが、いつか「フィルムで撮っていてよかった」と思えるような未来になって欲しいです。

 

そのために、写真の仕事をしている私たちがこれからフィルムを残すことの⼿段や⽅法を伝えていくことにしました。その第1歩として「写真屋さんから返ってきたフィルム、どうしたらいいの︖」という企画を考えました。

知っているようで知らない、なかなか⼈に聞くことがなかったことをインタビュー形式でまとめています。インタビューの相⼿は、フィルムを愛してやまないhibiのお客さんたちです︕


第一回目となる今回は、吉⽥ろーたさん@routa1114(フィルム歴:4年)にお話を伺いました!

 

ーー : ろーたさんが、フィルム写真を始めたきっかけを教えてください。

吉⽥ : 元々映画を観ることが好きで、映画と同じ「フィルム」で⽇常の写真を撮ったらどうなるんだろうって思ったことが始まりです。
そのあとに友⼈がフィルムカメラを始めて楽しそうに撮っていて、現像した写真を実際に⾒たり現像されたフィルムネガを⾒て「やっぱええなー」って思ったので始めました。

 

ーー : ⽇常を撮りたいと思ってフィルム写真を始めたんですね︕普段はどのくらいの頻度で写真を撮っていますか︖

吉⽥ : ⽉に3本ほど撮影しています。仕事が早く終わった⽇に⼣⽇や⾃転⾞で帰る学⽣などのシャッターチャンスを逃したくないので、カバンの中には常にハーフカメラを忍ばせています。

ーー : 今回の本題ですが、これまでに現像したネガフィルムはどのように保管していますか︖

吉⽥ : 専⽤のネガ保管ファイルとシートを買って収納しています。最初は、写真屋さんからもらったままの状態で積み重ねて置いていました。
だけど、せっかく⼤事に撮っているフィルムネガが雑多に置いてある姿を⾒てどうにかしないとなと思い、いろんな⽅に相談しました。そこでネガ保管ファイルというものがあることを知り、整理するようになりました。

フィルムネガはちゃんと保管したら100年残ると聞いたことがあって、残すことに魅⼒を感じました。もともとネガフィルムをそのまま眺めることも好きなんです。ネガ保管ファイルに整理するようになってからは特によく開いて観賞しています。

ーー : ネガ保管ファイルに整理するときに、hibiの受付時に書くオーダーシートもいっしょに保管してくれているんですね!

吉⽥ : せっかくえつこさんが頑張ってくれたものを捨てたくないな、と思って貼るようになりました。⾒ていると、「この時このフィルム使ったんや︕」とか「この時こんな仕上げにしたんや」とか全部記録されていて、それが鮮明に⾒えるから⼀緒に残しています。

 

ーー : お話していると、フィルムに対する愛情がすごく深いなぁと感じました。そんなろーたさんにとって、フィルム写真の特に好きなところはどこですか︖

吉⽥ : 撮影してから現像してデータになるまでの時間差です。データやプリントとして返ってきた時のタイムカプセル感がいいなぁと思います。
撮影してから現像が返ってくるまでは何を撮ったか覚えていないのに、返ってきたら1枚1枚思い出して、説明できちゃうんですよ。

それと、デジタル写真は撮ってすぐに確認できるから⾊味や構図をめちゃくちゃ考えてしまうんです。だけどフィルムは撮影の時はあまり⾊味や構図を考えずにシャッターを押せるので、撮影だけに集中できるところが気に⼊っています。
撮ることに集中できるから「失敗したかな」と考えることがなく、サッと次に⾏ける切り替えの早さもいいなと思いました。カメラを構えるまではよく周りを⾒るようになるので、写真が上達したと思います。

 

ーー : フィルムを現像して、データ化したものをSNSに載せて楽しんだりすることが多いと思いますが、ろーたさんの楽しみ⽅を教えてください。

吉⽥ : 写真プリントをよくします。やっぱり実物が好きなので(笑)
市橋織江さんの写真を好きになってフィルム写真にさらにハマったので、よく市橋さんのインタビューを読んでいるのですが「写真ってプリントするまでが写真」って⾔っていたのを⾒かけて。「プリントした写真を⾒ると全然違いますよ」って。

実際プリントしたら画⾯で⾒るのとは全く別物になって、紙の種類やお願いするお店によっても、仕上げのオーダーでも印象が変わるから「すごい変わるやん」って思いました。そこからプリントが⼤事だな、プリントしてこそ写真として本物やなと思いました。

ほかにはデータを⾒てもらった⼈に「プリントしてほしい」と⾔ってもらうことがあるので、そのときはプリントをしてプレゼントしています。
最近よく通っている、ぐるり(@gururi.coffee)さんというカフェがあるんですが、店内を撮影した写真をプレゼントしたことがきっかけでカフェのオーナーご夫婦と仲良くなりました。今ではその2⼈もカメラにハマってくれています(笑)

フィルム写真に対する熱い気持ちを語って頂きました。
ありがとうございました◎