加茂雄馬写真展『ほな。』

2023年の写真展のお知らせです。
新年第一弾、1月6日(金)からスタートするのは、hibiに長年フィルムを預けてくれている加茂雄馬による写真展『ほな。』です。

いつもは各写真展に合わせて紹介文を書かせてもらっているのですが、今回の『ほな。』の展示内容についてはあえて書きたくないという気持ちがあります。
加茂雄馬本人からのメッセージ。ここに書かれていることがすべてだからです。
このDMのデザインを見て、そして彼の言葉を読んで、何か感じるものがあればぜひhibiに足を運んでほしい。
私から皆さんにお伝えしたいのは、シンプルにそれだけです。

1年の始まりにこの写真展を見る。
そのことが大きな意味を持つ体験になると、私自身は思っています。
『ほな。』はきっと、sns上や別の空間では再現することのできない写真展になるはずです。
誰かを撮ること。何かを撮ること。写真で残すこと。
彼が撮り続けた写真達と向き合いながら、そのことに思いを馳せてくれれば嬉しく思います。

新年、皆さまのご来場を心からお待ちしています。
以下、加茂雄馬からのメッセージです✍️

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この度、初の個展を開催する事になりました。

加茂雄馬 写真展 「 ほな。」

昨年の11月2日、肺ガンにより父が亡くなりました。
病気が発覚したのは2018年1月のこと。

父がいなくなるまでの数年間。
そしていなくなってからの1年間。

徐々に変化していった家族の風景を、
少しずつですがフィルムに刻み続けていました。

その写真たちの一部をPhotolabo hibiさんのギャラリーをお借りして展示します。

他人から見れば、きっとなんてことはない、どこかの誰かの生活の一片。しかし、自分にとっては大事な”家族の記録”。

数年に渡り撮影したこれらを集めてみると、その数は数百にも達していました。

しかし、これだけ撮ったにも関わらず、見返すことにどこか抵抗があり、情けないことに一年経ってもろくに過去を振り返ることが出来ずにいました。

このままではきっと記憶の片隅と、大量のネガの中に埋もれていってしまう。過去の時間ときちんと向き合うためのきっかけを、無理矢理にでも作らなければ。

そんなふうに考えていた矢先、展示の機会をいただけたので個展に踏み切ったわけです。

この展示は誰のためでもなく、
ほぼほぼ”自分自身”のためだけに開催します。

自分は多分まだ、家族がいなくなった事実をなんとなく実感できていません。展示のために写真を整理することで、ちゃんとそれらを受け入れられるような気がしたわけです。

そして実際、写真を選んでいると、もうこの世にいないはずなのに、父が生きていた時と同じように会話をしている気分になります。

話せなかったこと、話したかったこと、聞きたかったこと。語りかけられるし、語りかけられる。いつもの様に声が聞こえる。

ぼんやりとですが、写真の本質を垣間見た様な気がしています。あわよくば、この感覚を誰かにも共有できたら嬉しいです。

皆様のご来場をお待ちしております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

加茂雄馬

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加茂雄馬写真展『ほな。』
2023.1.6(fri)-1.23(mon)
 12:00-19:00 ※火曜・水曜定休

在廊日などお知らせはこちら ▶︎ @kamo_san2

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