ポートレイトスタジオ【foa a little beauty】のおはなし②

第2回

写真を撮るのは楽しい。

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- お二人はパリで知り合われた?

大樹さん 知り合ったのはまたちょっと変なキッカケなんですけど。僕はべつに写真とは関係なく日本で働いていて旅行でドイツのベルリンに行ったんですよ。
で、彼女はパリからベルリンに旅行できていて。僕はドイツのクラブ音楽が好きで、
行きたいクラブがあってそこに行く目的でベルリンに行ったんですけど、彼女も似たような感じで。
そこのクラブ内で偶然ばったり知り合ったというか。日本人がほかに、日本人というかアジア人が他に全然いなくて。

望さん あんまりいないね。

大樹さん お互いの友達が最初に声をかけあって。で僕ら通りすがって、こんにちわっていう。偶然の出会い。

- あー日本人だーっていう?

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大樹さん ゲイクラブだったんですけどね、そこちなみに。笑

望さん ちなみにゲイだと思ってました。

大樹さん 男二人でいるとゲイの確立が非常に高いクラブでしたからね。笑 それが出会いですね。

望さん 私はそのあとフランスに戻って、でもなんかフランスで学生生活やってたんですけどそれがもう終わる年になって、
こうビザが変わる時期に。学生ビザから働くなら就労ビザだし、いろいろ変えなきゃいけない時で、もうフランスにいたくないって思って。

- なるほど。

望さん ヨーロッパの他の国に行きたいなーって漠然と思っていて。そういうのの一時帰国していた時にもう一度会って意気投合して。

大樹さん 交際がスタートした。

望さん そう。

大樹さん で、僕は僕でそのとき働いていたんですけど、当時やっていた仕事があまり好きになれなくて。
いったんやめて、よくあるワーホリとかで1年くらい行ってこようかなっていう軽いノリで海外に行こうかなっていう時期で、
じゃあ一緒に行こうかって。最初はロンドンに半年くらい住んでいたんですけど。

望さん ロンドンでは本当に語学を勉強しに行くっていうビザしか取れなかったんですよ。で、そのビザで行くとアルバイトもできないんですよ。

- それは大変だ。

大樹さん 貯金だけが無くなっていくみたいなね。笑

望さん で、闇のアルバイトをしながらっていう。笑もの凄いストレスの貯まる。
ストレスは溜まる一方、お金はなくなる一方みたいな生活で。で、やっぱり2人が会ったベルリンのあそこの雰囲気が良いんじゃないかって。

大樹さん でまぁベルリンに移ったっていう感じだったんですよ。

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望さん ベルリンではお互いに私はフリーランスとか。こう食べて行けるようなお金の稼ぎ方が出来る。
彼は彼でちゃんと収入が得られる環境があって。街自体がすごく良い街で。写真を撮るものがいっぱいあったし。
けっこう、その、、フランスにいた時みたいに「なんで写真撮るんだ!?」とかそういうんじゃなくて「写真やっているんだったらこういうこと一緒にやろうよ」っていう。

大樹さん そういう人達がいっぱいいた。

望さん 「俺たちこういう面白いことやっているから写真撮ってよ」とか。「一緒に面白いことやろうよ」っていう。そういう環境がすごい楽しかった。

- 良いですね。じゃあベルリンに移ってからちょっとポジティブな気持ちになった?

望さん そうなんですよ。でも写真を撮ることを再開したのはロンドンかなぁ。

大樹さん ロンドンだね。ちょうどそのパリの大学卒業間際が一番暗黒の時代というか。笑 カメラを捨てようとしていた時代だから。

望さん もう写真いいわぁーみたいなね。笑

大樹さん その時もたまたま友達がレストランで仕事をしていて、そこでイベントを一緒にやろうってなって。DJイベントみたいな。
僕がその当時DJをやっていたんで。で、初めてその時にじゃあのんちゃんが写真撮ってそれをSNSにアップしてお店のPRに使おうっていうのを友達が作ってくれて。
それですごい久しぶりに人のために写真を撮るじゃないけど。

望さん いや、、もうほんとね、、人のために写真を撮るっていうのは楽しいなぁって思った。
そう思えたのが、それがキッカケでまた写真やり始めたいなっていうのが結構あって。それでまぁベルリンに行ったらそういう環境だったのでいろんな人の写真を撮ったし。

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- なるほど。

望さん だからこう私のウェブサイトにもあるんですけど、それ見るともうほんと訳わからん人の写真とかいっぱいある。
ダンサーさんとか、アーティストさんとかの写真だったり、ミュージシャンもいっぱい撮ったし。楽しかった。

大樹さん ですねぇ。

- じゃぁベルリンはもう最高の環境だったわけですね。

大樹さん まぁそのなんでしょうね、お金という面を除けば。

望さん うん。そのやっぱりみんな手弁当だから。そんなにやっぱりこう、なにかやろうって行っても大きい予算がないし。みんな面白い物が好きだけど基本やっぱりケチだし。笑

大樹さん うん。笑 まぁそういう街ですよね。

望さん お金かけずにおもしろいことやろうって感じだったので。なんかこうフリーランスでお店の宣伝のための写真とかウェブサイト用の写真とかもやってたんですけど、
まぁあんまり需要が無かったです。みんな自分達でやっちゃうんだよ。笑

大樹さん 器用な人が多いんだよね。

望さん 器用っていうか、いいだろこれでみたいな。笑

- そうなんですね。笑 ではどのくらいのタイミング位からそろそろベルリンから移ろうかなっていう?

望さん キッカケはビザだよね結局。

大樹さん いやビザは更新しようと思えばできたんだけど、年齢的なものとか家庭というかまぁお父さんが一人だからそろそろ帰んなきゃとか不安なこともあって。
まぁ4年近くいて、そろそろ日本に帰国かなぁっていうタイミングで。帰る1年くらい前から話し合っていて。それで、帰ったらこういうことしようみたいな事もぼちぼち話し始めていて。

望さん なんかこうやっぱりビザがいろんなかせになっていて。ああいうことやりたいけど、このビザじゃできない。
そういうのが結構、、なんでわたしベルリンにいるんだってなってきて。笑

大樹さん ちょっとこう夢の中にいるような感じに近いから。そろそろ夢から醒めないとなってなって。笑
やっぱ結局ズルズル四年近くいちゃったっていうのもあって、やりたいことも明確に定まってきたからじゃあ日本で始めようかっていう感じですね。

望さん なんかやっぱりあそこでスタートするっていう気にはなれなかった。写真館やりたいなってなって思ったらやっぱり京都だったね。

次回へつづく【第3回 フィルムで撮る理由】